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ピアノはハンマーで打たれて発生する弦の振動を、広い面を持った響板の振動に変えることによって、空気振動(耳に聞こえる音)にする構造になっています。
弦に密着し、その振動を響板に伝えるのが「駒」の役割です。
「響棒」は弦の振動を響板全体に拡げると共に響板の強度補強の役割も持っています。どちらも、響板が音響的に優れた振動を起こすように、位置・大きさ・重さが慎重に計算され、設計されます。

1台のピアノに張られている弦の数は、およそ230本。すべての弦が強い力で張られており、全体の張力は20トンにも及びます。その張力による「ねじれ」や「ゆがみ」を防いでいるのが、木製の支柱と金属のフレームです。周辺部の厚い積層板と太い柱で組み立てられ、これらは、ピアノの耐久性を左右する要となっています。
ピアノが発明された18世紀のはじめから、19世紀初頭までのおよそ100年間は、金属のフレームは使われていませんでした。より豊かで美しい音色が求められ、次第に強い力で弦が張られるようになり、その張力を木の支柱と一体となって保持するためにフレームは生まれました。
フレームは弦とともに振動し、特に高音部の音質に微妙に影響することから、強度だけでなく音響面にも配慮され、綿密な分析のもとに設計されます。

ハンマーで打たれた弦は振動し、それが音源となって響板を振動させ、美しいピアノの音となります。
弦は高・中音部では1鍵について3本、低音部では2本または1本が張られ、88鍵のピアノ1台で約230本となります。最高音部の弦は直径0.775mm(グランドピアノでは0.8mm)、長さ50〜56mmで、低音部に移行するに従い太く長くして質量を増し、周波数を低くしています。
さらに、中音部からは、ピアノ本体の大きさから弦長が制限されるため、芯線に銅線を巻いて質量を増した巻線を使用しています。音源として重要な弦は、純度の高い高炭素鋼を使用し、巻線についてはカワイが開発した自動巻線機で(一部機種を除く)、安定した良質なものを製造し用いています。

88鍵のピアノでは、白鍵52、黒鍵36となっています。軽くて粘り強く弾力性に富む材料を使って加工される鍵盤は、永年にわたって、そりやゆがみを出さないように、充分なシーズニング(含水率調整)を行った後使用されます。
鍵盤を押すと、ほぼ中央部にあるピンを支点としてテコの動きをし、鍵盤の奥が持ち上がってアクションと呼ばれる力を伝達する機構を作動させます。鍵盤の側面には(グランドピアノの場合)円形の鉛が埋め込まれています。これは弦を打つハンマーと呼ばれる部品が、高音部と低音部とで重さが異なるため、鍵盤の荷重を調整しているのです。このことにより演奏時に感じる重さの差を揃えています。
良いピアノに欠かせない「良いタッチ」を生みだすために、鍵盤においても様々な工夫と研究が積み上げられています。当社が開発した、しっとりと手になじむ人工象牙(ファインアイボリー)、人工黒檀(ファインエボニー)は、その1つです。

1鍵当りの部品数約80点もの部品で作られているアクション。強く弱く、長く短く、大きく小さく、演奏者の意のままにコントロールし、ひとつひとつの音を生みだすのがアクションの役割です。そのためには機械的に正確な運動をすることが要求され、「ピアノの頭脳」ともいわれています。

また、正確な動きだけでなく、長年にわたる激しい運動に耐え、温湿度の変化にも寸法や重さが変化しにくいものでなければなりません。そのため素材は厳しく選ばれます。カワイでは、耐久性や摩擦性に富み、変形に強く高精度の加工ができる特殊樹脂を随所に使っています。
グランドピアノの「ウルトラ・レスポンシブル・アクションII」について
アップライトピアノの「ウルトラ・レスポンシブル・アクションII」について

ハンマーで打たれた弦の振動が、ピアノの音源となります。ハンマーの違いで弦振動は異なり、音色が変わります。そのために、よりよい振動をもたらすハンマーの仕様が追求されます。
カワイのハンマーは「内剛外柔」を基本仕様とし、弦の長さに応じ理想的なハンマーの形状・重量を持たせており、88個異なっています。これにより低音から高音までバランスのとれた音量・音質が実現されています。カワイでは自社生産により最適なハンマーを作り出しています。

ピアノの音源となる弦の振動を、望むとおりに止めるのがダンパーの役割です。ピアノの弦は、一音について低音部側では1〜2本、その他は3本となっており、さらに、弦の太さ・長さによっても振動のエネルギーが異なります。
ダンパーはそうした各音によって異なる条件に合わせて作られています。また、ダンパーは強い弦の振動を、瞬時にソフトに止め、なおかつ耐久性が問われることから、素材となるフェルトの製作に苦心が払われています。

通常ピアノのペダルは3本あり、グランドピアノ、アップライトピアノそれぞれ特有の機能を持っています。

ダンパーペダルと呼ばれ、音を持続させます(グランドピアノ、アップライトピアノ共通)。このペダルを踏むとダンパーがいっせいに弦から離れ、鍵盤から指を離してもダンパーは弦から離れたままになりますので、音を長く持続させたり、その音に重ねて次の音を弾くこともできます。他の弦もダンパーから離れているため、弾かれている音の倍音に共鳴し、音量・音色が豊かになります。
グランドピアノではソステヌートペダルと呼ばれ、鍵盤を押して指を離さないうちにこのペダルを踏むと、鍵盤から指を離してもその音が持続します。そしてその後に弾く他の音はスタッカートで演奏することも可能です。この、ちょっとふしぎなペダルは、20世紀のピアノ曲やポピュラー音楽などで効果的に使われ、グランドピアノの3本目のペダルとしてその地位を確立しました。
アップライトピアノではマフラーペダルと呼ばれ、このペダルを踏むと弦とハンマーの間に薄いフェルト又はクロスが下がります。この上からハンマーが弦を叩くことになるため、音量をかなり下げる効果があります

ソフトペダルと呼ばれピアノ音全体を柔らかい音にしますが、グランドピアノとアップライトピアノでその機構や効果は大きく異なります。
グランドピアノの場合、このペダルを踏むと、鍵盤とアクション全体が右へわずかに移動して、今まで3本の弦を打っていたハンマーは2本の弦を打つことになり、2本の弦や1本の弦を打っていたハンマーはいつも使っていない柔らかい端の部分で打弦することになります。よって、音色を大きく変化させることができ、グランドピアノの大きな魅力の一つとなっています。
アップライトピアノの場合、このペダルを踏むとハンマー全体が弦に近づく仕組みとなっています。打弦距離が3分の1程度弦に近づくことによって同じ力で打鍵しても音が弱まりますが、タッチ感が変わってしまいます。また、音色も変化しません。