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Feel -ピアノライフの達人の音楽やピアノへの想い-


曲が自分に溶け込むような充実感を得るために   Vol.19 ピアニスト 大神香澄さん

曲と一体になる演奏を常に心掛け、その達成感や充実感を次へのステップしている、とおっしゃるピアニストの大神香澄さん。カワイデジタルピアノの新製品発表会でCA93/CA63を演奏していただいたインプレッションも含めお話を伺いました。

大学に進んでから、ピアノの奥の深さを感じました

はじめてピアノに触れたのは幼稚園ぐらいですが、ちゃんとレッスンを始めたのは、小学校2年生くらいです。母親がピアノの先生をしていて、部屋にはギターがあったので常に音楽に触れられる環境にありましたね。小さな頃は楽器がおもちゃって感じでした。そして本格的に弾き始めたのが中学、高校ぐらいで、音楽と真剣に向き合い始めたのは大学に入ってからという感じです。

演奏していて曲との一体感を感じられない時が一番辛いですね。つまり曲が自分のものならない感じで壁にぶつかることがあります。そうしたジレンマに打ち勝つために、曲を理解しながら練習することを心掛けています。曲の解釈に集中して演奏します。そうするとだんだん曲が自分のなかにスッととけ込んでくるのがわかるんです。その時の達成感というか充実感がうれしいですね。ピアノに向かわない時でも、一日中頭の中は演奏モードです。曲のイメージを確認したり、フレーズの意味を考えたり。そうして乗り越えた時が、一番楽しい瞬間ですね。その高揚感を次へのステップにしています。

気分転換も大切。私は趣味のフラワーアレンジで実践

普段はピアノのことでいっぱいですが、意識してリセットするようにも心掛けています。ピアノや音楽と同じで美しいものに惹かれ、そして物を創造していくのが好きなんです。だから趣味でフラワーアレンジを続けています。美しい花同士のハーモニーという点では、音楽と共通する部分もあるのかもしれません。趣味のフラワーアレンジに集中し、発散し、一度リセットしてから新鮮な気持ちでピアノに向かう、というのが私の気分転換法です。ピアノのレッスン中は神経が敏感になり集中していますので、何か発散できる方法を自分なりに探し実践するのも、上達への大切なステップかもしれません。

「ピアノであること」を感じられる“Concert Artist CA93”

今回は、ほぼ全面的に性能が新しくなったデジタルピアノCA93/CA63を弾く機会をいただきました。「よりピアノであること」を感じていただくために、スタンダードなクラシックのピアノ曲という方向で、リスト作曲の「愛の夢」を弾くことになりました。

まず、新開発の「RM3 グランド」鍵盤機構を搭載したということで、これまでのデジタルピアノのタッチとどのような違いがあるのか興味がありました。第一印象は、鍵盤が深くて、しっかり鍵盤を押し込まないと安易に音が出ない印象で、その点がとてもピアノっぽいと感じました。こういうタッチ感だと、小さい音や軽いタッチで弾いたときにも、大きな音や深く重たく弾いたときにも、表現したい意志を鍵盤に伝えやすいと思います。

また、白鍵の表面がアイボリータッチという象牙調仕上げの新しい素材になったということで、適度な摩擦感があって、これもまたピアノっぽいと感じた点です。鍵盤表面は実際に自分の指と接触する部分なので、この素材感の違いははっきりと体感できると思います。

※この文章は2009年10月の取材を元に構成しています。

プロフィール

写真:大神 香澄

大神 香澄 Kasumi Ohga

東京音楽大学付属高等学校を経て、東京音楽大学ピアノ演奏家コースに進学。同大学院科目等履修終了。'01年第26回ピティナ・ピアノコンペティションG 級銀賞(最高位)。'02年王子賞受賞者披露演奏会、ピティナ・ピアノコンペティション入賞者記念演奏会に出演。'03年パリにてジョイントコンサートに出演。'04年第3回東京音楽大学コンクール第3位。これまでにソルフェージュを佐々木邦雄、ピアノを武田真理、佐々木恵子、石井克典の各氏に師事。

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