「段落設定」ウィンドウ使いこなし術 その3(パートの移動)
   

「段落設定」ウィンドウ使いこなし術 その2では、段落の区切りを設定しました。
ここでは、認識前に各段落のパートが対応するように調整してみましょう。
 
ポイント

検出の際に、パートの構成が違っている場合があります。
これは、「段落設定」ウィンドウ使いこなし術 その2(段落の区切りを設定)でも説明していますが、「スコアメーカー」で作成できる楽譜は、楽譜全体を通して、全段落が同じパート数で構成されていなければなりません。
そのため、段落によって構成の違う楽譜を検出するときには、存在しないパートが「空パート」になるようにパートを移動する必要があります。
この設定が正しくおこなわれないと、大譜表のはずなのに途中から高音部と低音部の単独譜に入れ替わって認識されてしまい、修正がとても難しくなってしまうようなことにもなりかねません。
合唱譜のように、途中の1部分だけにソロパートがあるような場合もありますので、まずは「段落設定」ウィンドウが、取り込んだ楽譜画像のどの譜表を検出しているのかを確認する必要があります。

      
    【楽譜画像を確認しよう】
   

その2で使用した『ピアノ協奏曲(段落線、大譜表修正とパート移動)@001.bmp』(1ページ目) と『ピアノ協奏曲(段落線、大譜表修正とパート移動)@002.bmp』( 2ページ目) をもう一度確認してみてください。
この楽譜の最大パート数は、7パート(2ページ目の2段目で出揃います)です。
ところが「段落設定」ウィンドウの[Part]の表記には9パート([Part9])あることになっています。
これは、スコアメーカーが、本来の楽譜の構成とは間違って検出してしまっているからです。
この間違いを「段落設定」ウィンドウを使って修正するのが、今回の操作です。

      
    【空パートを表示しよう】
   

パートを移動する前に、まずは「空パートの表示」にチェックを入れます。
チェックを入れると「空パート」が表示されます。
これで、どのパートがどの段落で空パート(演奏されないパート)になっているかを確認しながら作業ができます。

「空パート」とは
 

「スコアメーカー」では、段落によってパート数が異なる楽譜を扱う場合、パート数の少ない段落で省略されているパートを「表示しない」状態にすることで実現しています。この「表示しない」がデータ上は存在するパートのことを「スコアメーカー」では「空パート」と呼んでいます。

 

では、「空パート」が表示されたところで、どのようにパートが間違っているか確認してみます。
下記の表は、「元の画像のパート構成」と「段落設定」ウィンドウに表示されているパートの構成です。

     
   
ページ 1ページ目 2ページ目
段落 元画像の
パート表示
「段落設定」ウィンドウ
のパート表示
元画像の
パート表示
「段落設定」ウィンドウ
のパート表示
1段落目
2段落目
     
    【パートを移動しよう】  
   

確認が終わったら実際に、パートを移動してみましょう。
パートを移動するには、右図の[Part1]などと表示されている部分を使用します。

 
ポイント
移動する際には、ページの一番上のパートから設定するとよいでしょう。

    【1パート目を確認しよう】
   

まず、「段落設定」ウィンドウに表示されている、1ページ目の第1段落の設定を行います。
では、番数の「1」をクリックします。
すると「画像ビュー」に表示されている画像の1パート目が選択されます。
1パート目は正しく1パート目として検出されています。
 

     
    【2パート目を確認しよう】
   

では、次のパートを確認しましょう。
その前に、「2パート目はないはずなのに、段落設定ウィンドウでは[Part2]が表示されてるの?」と思いませんか。
そうなんです。1ページ目の1段落目には、2パート目が無いので、[Part2]が空パートになっていなくてはなりません。
この怪しい[Part2]の番数の「2」をクリックしてみましょう。

クリックすると、「画像ビュー」に表示されている画像の3パート目が選択されています。
スコアメーカーでは、3パート目を2パート目として検出していたんです。
 
 
  本来3パート目である五線が
[Part2]と検出されています。
段落設定ウィンドウの「2」をクリック
すると、3パート目が選択される。


 

     
    【2パート目を修正しよう】
   

では、この間違いを、修正しましょう。
まず、パート名の[Part2]と書かれた部分をクリックするとコンボボックスが表示されます。
このコンボボックスの中に表示される[Part3]をクリックします。
(この操作で、”この部分は3パート目ですよ”とスコアメーカーに教えてあげることができます)

 

      
   

[Part3]をクリックすると、横の「譜表の種類」の部分に灰色の五線が表示されます。
これが「空パート」です。

この空パートが表示された時点で、「この段落の2パート目には五線がありません」ということをスコアメーカーに教える事ができたわけです。

 

     
    【次のパートを修正しよう】
   

次のパートを確認してみましょう。
番数の「3」をクリックすると、「画像ビュー」に表示されている画像の3パート目に色が付きます。
合っています。
 
次に、「4」をクリックします。
「画像ビュー」で表示されている画像の5パート目を4パート目として検出しています。
では、パート名の[Part4]をクリックして[Part5]に設定しましょう。

     
    【最終確認】
   

同様に、残りのパートや他のページも設定してみましょう。
最終的に、今回のサンプル楽譜の『ピアノ協奏曲(段落線、大譜表修正とパート移動)』の場合、「段落の設定」では以下のようになります。

   
1ページ目の段落設定   2ページ目の段落設定  
     
   

これでパートの移動が完了しました。
では、もう一度間違いが無いか全体を見直してから「認識実行」ボタンをクリックし認識してみましょう。