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トップメッセージ

トップメッセージ

2024年2月28日付で、代表取締役社長に就任いたしました河合健太郎です。当社97年の歴史の中で、4代目の社長となります。先人達の想いを受け継ぐとともに、世界の主要な国際ピアノコンクールや世界的なアーティストから選ばれるブランドに成長したこのカワイブランドを守り抜き、そして更に発展させるために、より一層強い覚悟を持って取り組んでまいります。

カワイイズムの承継

1927年、創業者河合小市の「世界一のピアノをつくりたい」という熱い想いからカワイはスタートしました。創業者のピアノづくりに対する精神、哲学は、偉大な先人である技術者達にも受け継がれ、楽器づくりにとどまらず、教育事業、素材加工事業と様々な分野に拡大してまいりました。この精神、哲学こそが「カワイイズム」であり、次の3つから成り立っていると考えております。
1.常に高い理想を抱き、挑戦し続けること
2.苦境に陥っても決して屈しないこと
3.誠実で暖かい人間であること
これらは当社の強みであるとともに、私たちが今日まで事業を継続する中で苦境からも常に回復し、97年の歴史を構築する源となった不変の価値観です。私たちの役目は、創立100周年を迎え、次の100年に向けて、この「カワイイズム」を発展させることです。

カワイが目指す姿

私たちはアコースティックピアノの世界で頂点を目指しております。これは、創業者の夢であった「世界一のピアノづくり」を実現することでもあります。クラシック業界で確固たる地位を築き、多くの人々に当社のピアノを知ってもらい、そして弾いてもらうためには、楽器だけでなくあらゆるモノづくりにおいても、誰もが認め、安心し、信頼できる企業になることが非常に大切です。妥協を許さず、製品に対して愚直に向き合い、感動製造業としての使命を果たすこと、これを実現することが、アコースティックピアノだけでなく、電子ピアノをはじめとする様々な製品やサービスに、カワイのブランド力を広げることにつながると考えております。また、カワイブランドの認知度を更に向上させることも重要な目標です。現状、世界的に見れば当社の認知度はまだまだ拡大の余地があります。アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本などの既存市場においては、リアル空間とデジタル空間の両方でのプロモーションの強化により、当社の認知度を更に向上させると共に市場シェアを高め、新興市場においては、特に東南アジアでの音楽教育事業の展開を通じて、演奏人口を増やし、カワイファンを増やす動きを加速させてまいります。

持続可能な未来のために

私たちの使命は、単に楽器を製造することだけではありません。地球との調和、音楽文化振興、そして持続可能な社会の実現に貢献していくことも重要な責務です。当社は、環境に配慮した事業推進の一環として、2022年、ピアノ生産工場(竜洋工場)に太陽光発電設備を導入いたしました。この設備の導入は、再生可能エネルギーの利用を進めるための取り組みのひとつであり、地球温暖化対策の重要な役割を担っております。これにより、工場で使用する電力の一部をクリーンなエネルギーでまかなうことが可能となり、化石燃料の消費削減、二酸化炭素排出削減につながっております。地球温暖化の影響を抑えるためには、環境保護への取り組みもまた不可欠です。海外では、毎年インドネシアで植林活動を行っており、地元の森林公社と共同で管理されるこの植林地は「カワイの森」と名付けられ、地元の洪水防止にも寄与しております。これらの活動は、地球環境と共生し、次世代に美しい自然を残すための重要な取り組みであり、当社のサステナビリティへの取り組みの一部を形成しております。また、当社の創立90周年を記念して2017年に創設したShigeru Kawai国際ピアノコンクールは、世界中から集まった若き才能たちが、私たちのピアノでその技術と情熱を披露する場となっております。こういった活動が、次世代を担うピアニストの発掘・育成、国際交流の推進並びに世界の音楽文化の振興に寄与しております。最後に、私たちは、従業員だけでなく、取引先を含むすべてのステークホルダーが安心して働ける、取引できる、信頼できる企業を目指しております。世界中のカワイの従業員が、将来ビジョンを描き、企業としての理想と個人としての目標を共有し、夢を語れる環境を作り出すこと、そして誇りを持って働ける環境を作り出すことが持続可能な経営を実現し、持続可能な社会の実現に貢献するものと考えております。

2027年に迎える創立100周年、さらに次の100年に向けて、当社は「世界の舞台で選ばれるピアノ」、「世界のアーティストから選ばれるピアノ」を目指してまいります。そして、楽器製造だけでなく、持続可能な社会づくりにも積極的に取り組み、世界中の皆様と感動や笑顔を分かち合える企業であり続けたいと思います。

2024年6月
代表取締役社長
河合 健太郎